2017/02/05

V-ROD フロントフォークの分解

 フォークスライダーの塗装が剥げてしまう程フロントフォークのオイル漏れが重症なので、フロントフォークを分解清掃して組み付けし直します。

 先日購入したフォークトップキャップソケットを使用して、スライダーチューブキャップを緩めます。ステアリングヘッドからフォークを引き抜く時にオイルが漏れると作業し難くなるのでキャップは緩めるだけで外しません。
 フォークレッグホルダーやバイスがあるならば、フロントフォークを引き抜いてからスライダーチューブキャップを緩める事が出来ます。フロントフォークを固定する工具が無い場合はステアリングヘッドを有効活用した方が良いです。


 シートパイプスクリューを先日購入した6mm ロングソケットで外してフォークオイルを抜きます。


 シートパイプスクリューにはオイル留めシールがありました。さすが純正部品ですね。社外品のシートパイプスクリューに取り替えたいけど、このオイル留めシールをどこで販売しているのか知りません。


 スプリングの飛び出し防止の為、ブランケットをスライダーチューブキャップに掛けて外します。スプリングの反発力が強くて危険とよく耳にしますが、注意して作業すれば然程でも無いように感じました。
 スプリングカラーが見えてきました。ここでフォークを傾けてフォークオイルを抜き切る共にパーツを取り出します。


 フォークオイルを抜き切る時はスライダーを数回引き伸ばして動かすと、オイルが内からより押し出されます。


 ここまでのパーツ順番のおさらいです。

 スライダーチューブキャップ→スプリングカラー→ワッシャー→スプリングの順番です。当たり前ですがワッシャーはカラーとスプリングの間です。ワッ シャーの取付位置を間違えがちですが、冷静に考えてみればワッシャーがないとスプリングカラーとスプリングがうまく留まらない事に気が付けば間違える事は ありません。またスプリングは上側が巻きが緩い方です。組み付け時にスプリングの天地を間違えないように注意です。


 参考としてスプリングの自由長は412mmでした。
 コイルは材質と線径が同じならば、短くなると硬くなり長くなると柔らかくなる。巻き径が小さくなるとか無くなり大きくなると柔らかくなる。巻き数が少ないと固くなり増えると柔らかくなります。素人が手を出すには余りにも難しいとても奥深く興味深い世界です。このV-RODのコイルスプリングもどのような意図があってこのようにしたのか設計者に聞いてみたいです。きっと面白い話が聞けるんだろうなぁ。


 ここから先はフォークレッグホルダーやバイス等で水平に固定した方が作業し易いと思います。
 フォークスライダーのノッチにカバーを傷付けない工具とハンマーを使って叩き押してスライダーカバーを外します。サービスガイドでは「真鍮ドリフト」と言う工具を使用しているようですが、僕はタオルを巻いたマイナスドライバーで代用しました。


 個人的にはフォークごと逆さにした方がスライダーカバーを外し易いので、ノッチを外した後にフォークレッグホルダーで水平に固定するのが良いと思います。


 ダストカバーを外します。ダストカバーは再利用出来ないので、僕はマイナスドライバーで外しましたが、ダストシールリムーバーを使用した方が作業し易いです。


 ダストカバーが外れました。


 ダストカバーの次はストッパーリングを外します。


 ストッパーリングを外したら、後はインナーチューブをちょっと力を込めて引き抜くだけです。力を一気に込めて引き抜くとひっくり返って怪我しますので、10回ぐらいコンコンと引き抜くイメージです。


 インナーチューブの下側の順番はこうなってます。オイルシール→シールスペーサー→ブッシュガイドの順番です。


 インナーチューブの全長は636mmでした。社外品のインナーチューブを購入するならば、25-1/2インチだと若干長くなってしまうので25インチでしょうか。25インチってあるのかな???


 スライダーチューブも外れます。このスライダーチューブでオイルシール→シールスペーサー→ブッシュガイドを留めています。


 残りはシートパイプとリバウンドスプリングです。いわゆるダンパー部分です。


 V-RODのシートパイプのオリフィスは上の伸び側に小さなオリフィスが2つ、下の縮み側に大きなオリフィスが4つです。伸び側よりも縮み側の方がオリフィスの経は大きいし穴の数も多いです。 こうやってオリフィスの経や数でオイル流入量を変えて抵抗を生み出して減衰力を調整しているのかと思うとこれまたとても奥深い世界です。


 最後にストップロックオイルピースがあります。シートバイプとスプリングをシートパイプスクリューと繋がるイメージです。


 これで分解出来ました。シール類は新しい物に取り替え、フォークスライダーとインナーチューブは塗装に出そうと思います。

 僕は作業する上で使いませんでしたが、本来はバイスを使った方が作業しやすい筈です。但しバイスを使って力強く挟み込み過ぎてチューブを変形させてしまい兼ねないので、パイプクランプセットも使った方が良いと思います。

UNIT P3505 パイプクランプセット


 最後に、今回フロントフォーク分解清掃と組み上げにトライしようと思ったのは、某ショップでフォークオイル交換代金を支払ったのにも関わらず、作業をしないまま納車されてしまったからです。代金は未だに返して頂いてません。
多分作業を頼まれたのをすっかり忘れているのだと思いますが、天然ボケなのか忙しかったのか原因や理由はあるでしょうが、お客さんからお金を頂戴して仕事する以上責任持って頼まれた事は必ずやって欲しい。これって腕が良いとかそのような話以前の基本中の基本だと思いますが・・・。
 本当はショップ名を晒したいところですがつまらない揉め事を起こしても何一つ得にならないので、もうそのショップとは黙ってこちらからオサラバして、サンデーメカニックする事にしました。