2016/12/13

V-ROD ミッドコントロールステップの不満な点

 V-RODやHarley-Davidsonで似た情報を探していたり苦労している方が他にもいらっしゃればと思い、本来であれば自分のやって来た事の恥を晒すようなものなので余り好ましくない事でありますが、もう偽りのない感想を申し上げても良い時期だと思いますのでこれを記事にしたいと思います。
 カスタム系同業者やバイクショップ系のブログ等を拝見すると、顧客のネガティブな記事に反論する意見も見受けられますが、そのように仰る方々に最も理解して頂きたいのは最も損をしているのは貴方達ではなく顧客なのです。残念なのは出来上がり、納期、支払った対価だけはありません。ショップへの信頼や期待も全部であることを忘れないで欲しいです。

 率直に申しますと、今まで色々なワンオフカスタムをトライしましたが、その出来栄えに満足どころか全く納得出来ておらずこれで完成と認めたくないです。
 しかしあれ以上待っても作業に取り掛からないと判断し返金して車輌を引き上げようとしたところ、慌てて突貫工事で仕上げられてしまった感じがして残念です。

 入庫日数219日間、7ヶ月以上も待ったのに、この程度の作りかと思うとホントがっかりで、バイクを見るのも嫌になる酷いカスタムで途方に暮れてしまいました。よっぽど抗議して直して貰おうかと考えましたが、これ以上バイクを任せる事の方が嫌だったので、何も言わずに車輌を引き上げるのを最優先にしました。自分の大事なバイクを良くしたいと思ってカスタムしたのに乗る気が失せてしまう逆の結果になりました。この際失敗した点をすべて洗いざらいにしたいと思います。

 では具体的に失敗した箇所を説明します。まずは全てが雑な作り込みのミッドコントロールステップから。

・リアブレーキ側のフットペグアシストがマフラーにぶつかっている点
何故寸法間違うのかな。どうやればこうなるのかも意味不明ですが、気が付いていたはずですがこのまま納品して来た事が呆気に取られます。


当然のようにクラッチ側のフットペグアシストもエンジンに完全にぶつかっています。


・フットペグアシストの厚さが左右同じでない点
 なぜリアブレーキ側フットペグアシストとクラッチ側フットペグアシストの厚さや加工が違うのか? ちょっと意図が見えてこないですね。リアブレーキ側はカタカナの「エ」の字で薄くなっています。クラッチ側はそのまま厚くなっています。クラッチ側に合わせて欲しいです。

 リアブレーキ側はこちら。フットペグアシストが「エ」の字に薄くなっています。更に金属表面処理が汚いし・・・。


 クラッチ側がこちら。リアブレーキ側と比べて厚さも加工も全く違うのは一目瞭然です。


 では何故フットペグアシストを薄くしなければならなかったのか。

 答えは簡単です。フットペグアシストがマフラーにぶつかってしまい削ったのでしょう。よく見るとマフラー付近から急に薄くなったのが分かります。薄く削ってしまったフットペグアシストをそのままロワーフレームに溶接すると強度が足りないので「エ」の字型に補強したと見るのが妥当です。
 恐らく寸法を考えずにミッドコントロールステップとマフラーを別々に作ってしまい、取り付ける段階になってから、やべー! ステップぶつかるじゃん! 今からマフラー曲げ直すの大変だからステップ側を削っちゃえ!となったのでしょう。

 エンジンに合わせてステップを作るのでステップの曲げや厚みは変更出来ません。よってマフラーの曲げはステップに合わせるべきで、ステップをマフラーに合わせるのはNGです。ここまででも十分がっかりですが、しまいにはこれでもまだマフラーはステップにぶつかったまま。本当にがっかりです。


 これを踏まえてクラッチ側も良く見ると、やはり同じく厚さがバラバラ。こちらもぶつかる面だけを突貫工事で削ったのでしょう。モノ作りとは、測定し、図面を引いて設計し、何か影響や障害が出ないか色々なレビューした上で最終決定した内容をもう一度図面に起こしてから取り掛かるものです。


 ちなみにビルダーの言い分は恐らく「バンク角を稼ぐ為に敢えてなるべく薄くし、マフラーをギリギリの隙間で取付けた」と言うでしょう。いえいえ、フットペグアシストを薄くするのは安全性を犠牲にし兼ねない危険な事ですし、V-RODを倒し込むとサイレンサーが一番最初に地面とぶつかります。このフットペグアシストを削った数センチ程度を稼ぐ為ならばサイレンサーをもう少しリアフォーク側に近づけるか上げれば済むことです。

・リアブレーキ側のフットペグアシストがクラッチカバーを塞いでる点
フットペグアシストの真後ろにねじがあります。これじゃあクラッチカバー開かねーじゃん。なんと整備性が悪いんでしょうか。クラッチをメンテナンスするにはフレームまで外せってか。絶句。


・ヒールガードがセカンダリークラッチアクチュエーターカバーを塞いでいる点
 前項に増して更に整備性が悪いです。これではたかがフルード交換でいちいちフレームを外さなければならない。ヒールガードは国産メーカーのようにねじで取り外し式にすべきです。


・ネジ締めにLOCTITEを使いまくっている点
 外れないだろーがぁ! 某カスタムショップは全部のねじにLOCTITEを塗ります。もう呆れます。まずはLOCTITEに頼らずに加工精度を上げて欲しい。


・フットペグ取付部が丸棒のまま
 ねじもナットも接合面が半円なので接する面がほぼ有りません。平らに加工するのが当たり前だと思いますが・・・。平らに加工するだけでねじは十分締め付けられるのでお得意のLOCTITEは要りません。


・フットペグやフットレストのローレット加工が不揃いな点
 左からパッセンジャー用フットレスト、フットペグ、リアブレーキ/クラッチフットペグです。何故こんなにローレット加工が不揃いなのでしょうか。パッセンジャー用フットレストとフットペグは靴底で踏みつけるので粗目でも構いませんがせめて目は揃えて欲しいです。
・クラッチペグのローレット加工が粗目である点
 リアブレーキやクラッチは操作回数が多いだけでなく、細かくソフトに操作をしたいのがライダーの本音。ここは細目にして欲しかったです。特にクラッチ側は絶対です。粗目でブーツがボロボロになるので仕方ないのでゴムを被せました。
・フットペグやフットレストが未塗装な点
 黒色塗装をお願いしたのに素地のまま。


・フットペグの取付けが緩い点
 フットペグがねじ留めが緩くなったメガネのようにパコパコ動きます。パッセンジャー用フットレストは固くきついです。いくら可倒式だと言えパコパコ動くとのは危ないです。どうしてパッセンジャー用フットストップと同じ位の硬さにしてくれないのか。このねじの加工寸法が広すぎたのでしょう。直さずにそのまま納品されてしまいました。


・ねじが曲がってる。
何故ここに変形し易い素材使ってしまうのかなぁ。恐らく加工し易さだけを考えて安全性は考慮していないのだと思います。


・クラッチペグ取付用ねじが逆さである点
 ネジの取付け方が逆さです。進行方向側にねじがあるのが正しいです。リアブレーキペグ側の写真と見比べると分かりますが、万が一ネジが緩んだ場合欠落します。何でもねじ緩み防止をLOCTITEに頼っているから、こう言う所に技術も意識が足りないのが露呈します。


・フットペグの雑な加工処理
 裏面処理の手を抜くのは止めて頂きたい。見えないからと言って手を抜かれると全てを確かめない限り信用出来なくなります。


・面取りしていない
 更に黄色線で囲ったように下地加工のいい加減さ。なんなんだ? 切断したままのようなザラザラした表面は? これは化石ですか? (苦笑) 金属造形や板金作業等の最後は面出しですが面倒臭かったのでしょうか。放置されたままです。


・ブレーキリンケージがボロい。
 塗装してってお願いしたのに。素地のままなのですぐ錆びてしまいます。


・ブレーキペダルアッセンブリーが素地のまま
 ここも素地のまま。本当の削りっぱなし。塗装してってお願いしたんだから頼まれた所ぐらいは塗装しようよ。


 不満な点を列記するだけで疲れました。まだミッドコントロールステップ編ですが、この先マフラー編、パッセンジャー用フットレスト編、ナビアーム編、ハンドル周り編と続くのかと思うと心底辟易します。

 突貫工事で雑な作業は非常に腹立ちますが、万が一これが全力でやった結果だったらそれはそれでレベルの低さに呆れてしまいます。果たしてどちらなのだろうか。