2016/12/06

brembo ラジアル RCS クラッチ/ブレーキ マスターシリンダーのイロハ その1

 色々な所でラジアル RCS マスターシリンダーの良さを解説していますが、説明が偏っていたり、足りなかったり、間違っていたり、強調しすぎたり等色々見受けられます。
 自分の復習も兼ね改めてラジアル RCS マスターシリンダーを一から勉強し用語の意味から機能まで漏れなくきちんと理解したいと思います。


 英語でシリンダーは「円筒」の意ですが、業界等では「ピストンが往復する円筒や気筒」の事を指します。マスターシリンダーとはブレーキやクラッチの握力又は踏力をシリンダー(円筒)に閉じ込めたオイル液圧に変換して圧送する装置です。YAMAHAバイク用語辞典ではマスター=マスターシリンダー、単にマスターと呼ぶときはブレーキマスターである事が多いそうです。

 マスターシリンダーには1個タイプ(シングル)と2個タイプ(タンデム)があります。タンデムは縦列という意味でシリンダー内にピストンが縦に2個並んでいて、どっちか壊れてももう1つが動作する冗長化安全対策から考えられたものです。
 タンデムマスターシリンダーは主に乗用車向けで、brembo含め二輪車用はシングルマスターシリンダーです。マスターシリンダーと言えば主にブレーキ側を指しますが、クラッチ用マスターシリンダーもあります。


 次にラジアルの意味です。 英語でラジアルは「放射状の」「星形の」の意と言う人もいるけど、この場合の「ラジアル」とは直角方向の事を指し、ハンドルに対して直角にマスターシリンダーが配置されているのがラジアルなマスターシリンダーです。ハンドルと水平に配置されているのはノーマルなマスターシリンダーで、一般的な二輪車はノーマルマスターシリンダーが採用されています。


 RCSは「レシオ・クリック・システム」の略で、レシオとはブレーキ/クラッチレバーの支点からピストンを押す作用点までの距離を表します。クリックシステムは道路条件や天候などのシチュエーション、個人の感覚的な好みに合わせて簡単にレシオを変更出来る機能です。RCSをレシオが可変するから「レシオ・チェンジ(可変)・システム」だと言う人も居ますが、「C」は機械の留めであるクリックを表します。

 単語の意味からラジアル RCSマスターシリンダーを理解しました。ブレーキだけでなくクラッチもあるのに、ブレーキマスターシリンダーを「マスターシリンダー」と呼んだり、ラジアルだけでなくノーマルもあるのにラジアルマスターシリンダーを「マスターシリンダー」と呼ぶ人もいれば、ラジアル方向に動く油圧ポンプだから「ラジポン」と呼んだり、更にはラジアルRCSマスターシリンダーも「ラジポン」と呼んだり、呼び方は色々あるようです。


 長く書いたらまとまらなくなってきました。(笑) 1時限目はこの辺にしときまーっす。To be continued...